外食で野菜とたんぱく質を確保する
メニューの追加や量の調整で、次の食事まで無理を残さない。 無理をしない体づくり研究所が、生活に合わせた考え方と最初の一歩を解説します。
外食でも「足りないものを補う」と考える
外食では、家で食べるときよりも料理の量や組み合わせを細かく調整しにくくなります。丼ものや麺類のように主食が中心になりやすいメニューもあれば、揚げ物や肉料理が中心で野菜が少ないこともあります。
だからといって、「外食は栄養バランスが悪い」と決めつける必要はありません。大切なのは、一食を完璧にすることよりも、選んだ料理を見て不足しそうなものを無理のない範囲で補うことです。
とくに意識しやすいのが、野菜とたんぱく質です。主食だけで食事が終わりやすい場合は、野菜料理や卵、魚、肉、大豆製品などを加えることで、食事の構成を整えやすくなります。
ただし、毎回すべてをそろえる必要はありません。外食の目的には、栄養だけでなく、楽しさ、手軽さ、人との交流もあります。その日の食事だけで評価せず、前後を含めた食生活全体で考えることが続けやすさにつながります。
野菜は「メイン料理に入っているか」だけで判断しない
野菜を取ろうとして、野菜炒めやサラダのような料理だけを探す必要はありません。外食では、小鉢、汁物、付け合わせなども利用できます。
たとえば定食なら、主菜に加えて野菜の小鉢を選ぶ方法があります。丼やカレーなら、サラダや野菜を使ったスープを追加する方法もあります。麺類であれば、野菜の入ったメニューを選んだり、小さな副菜を組み合わせたりすることができます。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれていますが、種類によって含まれる栄養素は異なります。そのため、特定の野菜を「健康に良い食品」として大量に食べるより、さまざまな食品を食事の中に取り入れていくほうが現実的です。
また、生野菜だけが野菜ではありません。煮物、蒸し物、炒め物、汁物などでも野菜は取れます。外食では選択肢が限られることもあるため、調理法にこだわりすぎず、「今日は何か一品追加できそうか」と考える程度でも十分です。
サラダを追加できない日もある
価格や料理の量を考えると、毎回サラダや副菜を追加するのが負担になることもあります。そんなときは、無理に注文数を増やす必要はありません。
たとえば、野菜の入った主菜を選ぶ、具の多い汁物を選ぶ、次の食事で野菜料理を入れるといった調整もできます。
「外食したら必ず野菜を追加する」という厳しいルールにすると、食費や心理的な負担が増えることがあります。できるときに少し補うくらいの考え方のほうが長く続けやすいでしょう。
たんぱく質は主菜があるかを確認する
外食でたんぱく質を確保するときは、まず主菜に何が使われているかを見ると分かりやすくなります。
肉、魚、卵、豆腐やその他の大豆製品などは、たんぱく質を含む代表的な食品です。定食であれば主菜として自然に含まれていることが多いため、特別な工夫をしなくても取れている場合があります。
一方で、うどん、そば、パスタ、パンだけで食事を済ませる場合などは、主食に比べてたんぱく質を含む食品が少なくなることがあります。そのようなときは、卵、豆腐、肉、魚などを使った追加メニューが利用できるか確認してみるとよいでしょう。
たとえば麺類なら卵や肉、豆腐などのトッピングを選ぶ、パン中心の食事なら卵や肉、乳製品などを使った料理を組み合わせる、といった方法があります。
ただし、たんぱく質は多ければ多いほどよいわけではありません。肉料理を重ねて注文したり、大きな主菜にさらに高たんぱく食品を追加したりする必要はありません。すでに主菜が十分ある食事なら、追加より野菜や主食とのバランスを見るほうが適していることもあります。
「定食型」で考えると選びやすい
外食で何を選べばよいか迷う場合は、「主食・主菜・副菜」という大まかな構成で見ると整理しやすくなります。
主食にはご飯、パン、麺などがあります。主菜には肉、魚、卵、大豆製品などが使われ、副菜には野菜、海藻、きのこなどを使った料理があります。
これは、すべての食事を定食にしなければならないという意味ではありません。料理を選ぶためのチェック方法として利用します。
たとえば、
- 牛丼なら、主食と肉はあるので野菜料理を追加する
- うどんなら、卵や肉などを加え、可能なら野菜の小鉢を組み合わせる
- パスタなら、具材を確認し、少なければサラダやスープを追加する
- 焼き魚定食なら、すでに主食・主菜・副菜があるため、無理に追加しない
といったように考えられます。
料理名ではなく、「今の注文には何が含まれているか」を見ることがポイントです。
追加だけでなく、量を調整する方法もある
外食の栄養バランスを整えようとすると、つい料理を追加することばかり考えがちです。しかし、すでに一食の量が多い場合は、追加することで食べきれなくなったり、食後の苦しさにつながったりすることがあります。
そんなときは、「何を足すか」と同時に「どこを調整できるか」を考えます。
たとえば、大盛りを普通盛りにして副菜を付ける、ボリュームの大きな単品料理より小さめの定食を選ぶ、といった方法があります。
反対に、活動量が多い日や食事間隔が長くなる日は、主食まで過度に減らす必要はありません。野菜やたんぱく質を増やすために、炭水化物を極端に避ける必要もありません。
食事は複数の栄養素を組み合わせて成り立っています。「野菜を取るために主食を抜く」「たんぱく質を増やすために他を大幅に減らす」といった二者択一ではなく、全体の量を見ながら組み合わせを調整するほうが現実的です。
次の食事まで無理を残さない
外食後に「食べすぎた」と感じると、次の食事を抜いたり、極端に量を減らしたりしたくなることがあります。しかし、一食の内容を帳消しにするような調整は必要ありません。
食事を大きく減らした結果、強い空腹が生じ、その後に食べる量が増えることもあります。外食を特別な失敗として扱うより、次の食事から普段の食べ方に戻るほうがシンプルです。
反対に、昼食が軽くて夕食まで長い場合には、無理に空腹を我慢する必要もありません。外食時点で適度に主食、主菜、副菜を組み合わせておくことは、次の食事まで落ち着いて過ごす助けになる場合があります。
その日の予定や空腹感も含めて、一食の量を考えましょう。
コンビニやファストフードでも考え方は同じ
外食というと飲食店を想像しやすいですが、コンビニやテイクアウトでも基本的な考え方は変わりません。
たとえば、おにぎりだけなら、卵や魚、肉、大豆製品を使った食品と、野菜を含むスープや副菜を組み合わせることができます。サンドイッチなら具材を確認し、必要に応じてスープやサラダなどを加えます。
ファストフードでも、一回の食事を理想的な栄養構成にしようとする必要はありません。主菜が十分なら追加しすぎず、野菜が少なそうなら別の食事で補う方法もあります。
価格、時間、食欲、入手できる商品は日によって違います。「理想の組み合わせができなければ意味がない」と考えないことが大切です。
調味料や塩分も必要に応じて見る
外食では、自炊より味付けを調整しにくいことがあります。料理によっては塩分を多く含む場合もありますが、だからといって外食そのものを避ける必要はありません。
気になる場合は、汁物を必ず飲み干さない、ドレッシングやソースを自分で加える形式なら量を調整するといった方法があります。
ただし、塩分などの制限が必要な量は、健康状態によって異なります。高血圧、腎臓病、心臓病などで食事について医療者から具体的な指示を受けている場合は、一般的な食事情報より、その指示を優先してください。
毎食100点を目指さない
外食で野菜とたんぱく質を確保する目的は、食事を採点することではありません。
ある日は野菜が少なく、別の日は十分に取れることもあります。昼食が丼だけになったとしても、夕食で魚や豆腐、野菜料理を取り入れることはできます。一食ごとの不足を過度に気にするより、数回の食事を通して食べる食品に偏りがないかを見るほうが取り組みやすくなります。
最初から大きく変える必要もありません。「単品の麺料理に卵を追加する」「定食の小鉢を一つ付ける」「野菜の入った汁物を選ぶ」など、一つだけ変えるところから始められます。
外食は、栄養を取る場であると同時に、時間を節約したり、人と食事を楽しんだりするための選択肢でもあります。野菜やたんぱく質を意識しながらも、食事全体を厳しく管理しすぎないことが、無理なく続けるためには重要です。
妊娠中や授乳中、持病がある場合、服薬中の場合には、必要な栄養量や注意すべき食品が一般的な成人とは異なることがあります。また、食事への不安が強い、食べることを厳しく制限してしまう、過食と制限を繰り返すなどの問題がある場合は、自己判断でさらに制限を増やすのではなく、医師や管理栄養士などの専門家への相談を検討してください。