ダイエット中の外食メニューの選び方
栄養表示の有無にかかわらず、満足感と量のバランスを考える。 無理をしない体づくり研究所が、生活に合わせた考え方と最初の一歩を解説します。
外食は「避けるもの」ではなく、日常の一部として考える
ダイエット中でも、外食を完全に避ける必要はありません。仕事の昼休み、家族や友人との食事、旅行、予定の合間など、外食が生活に自然に入っている人は多いものです。
外食を「ダイエットから外れた特別な食事」と考えると、食べた後に強く後悔したり、その前後で極端に食事を減らしたりしやすくなります。それよりも、「普段の食事とは条件が少し違う一食」と考えるほうが、長く続けやすいでしょう。
メニューを選ぶときも、最も低カロリーらしい料理を探すことだけが目的ではありません。量、食べ応え、野菜やたんぱく質を含む食品の有無、その日の空腹具合、食後の満足感などをまとめて考えることが大切です。
栄養成分表示があれば参考にできますが、表示がない店でも選び方の軸を持っておけば対応できます。
まず「何を食べないか」より、食事全体を見る
外食では、料理を一品ずつ「太りやすい」「太りにくい」と分けるより、食事全体の組み合わせを見るほうが実用的です。
たとえば、麺類や丼ものは一皿で食事が完結しやすい一方、料理によっては野菜やたんぱく質を含む食品が少なくなることがあります。反対に定食なら、ご飯、主菜、副菜、汁物などを組み合わせやすく、自分で量を調整しやすい場合があります。
ただし、定食なら必ず良い、麺類なら悪いという意味ではありません。麺料理に卵や肉、野菜が十分に入っていることもありますし、定食でも揚げ物が複数ついていて自分には量が多いこともあります。
メニュー名ではなく、
- 主食はどのくらいあるか
- 肉、魚、卵、大豆製品などは入っているか
- 野菜や海藻、きのこ類などを追加できそうか
- 自分にとって多すぎない量か
- 食べた後に満足できそうか
といった視点で見ると選びやすくなります。
すべてを一度に整える必要はありません。「今日は野菜を一品足す」「大盛りを普通盛りにする」など、一つだけ調整する方法でも十分です。
栄養表示がある店では「数字だけ」で決めない
チェーン店などでは、エネルギー量や栄養成分が表示されていることがあります。こうした数字は、複数の候補で迷ったときの参考になります。
ただし、最も数字の小さいメニューを選べばよいとは限りません。
たとえば、空腹がかなり強いのに軽すぎる食事を選ぶと、食後すぐに物足りなくなり、後から間食が増えることもあります。一方、十分に満足できる食事を選んだ結果、その後に余計なものを食べずに済む場合もあります。
そのため、数字を見るなら「低いほど良い」ではなく、自分の空腹や一日の食事とのバランスを見るための材料として使います。
また、表示されている数値にも一定の幅が生じる可能性があります。実際の料理は調理や盛り付けによって完全に同じになるとは限らないため、細かな数字まで厳密に合わせようとしすぎないことも大切です。
栄養表示がない店では、見た目から調整する
個人店や居酒屋などでは、栄養成分が分からないことも珍しくありません。その場合に、カロリーを細かく推測する必要はありません。
料理の構成と量を見るだけでも、ある程度の調整はできます。
主食の量を確認する
ご飯、パン、麺などは重要なエネルギー源なので、ダイエット中だからといって必ず抜く必要はありません。
ただし、外食ではご飯や麺の量が自宅より多いことがあります。自分には多そうなら、最初から少なめを頼めるか確認する方法があります。
反対に、主食を完全に抜いたことで満足できず、帰宅後に菓子などを食べ続けてしまうのであれば、その調整が自分に合っているとは言いにくいでしょう。
「抜くか、全部食べるか」の二択ではなく、普通盛りや少なめなど、自分が落ち着いて食べられる量を探します。
主菜を一つ決める
肉、魚、卵、大豆製品などを含む主菜があると、食事を組み立てやすくなります。
焼き魚、生姜焼き、刺身、蒸し料理、豆腐料理など選択肢はいろいろありますが、毎回脂質の少なそうな料理だけに固定する必要はありません。
とんかつや唐揚げなどを食べたい日もあるでしょう。その場合は、それを主菜として楽しみ、さらに別の揚げ物を大量に追加しない、ご飯を必要以上に大盛りにしない、といった調整もできます。
「好きなものを禁止する」のではなく、食べたい料理を中心に、周囲の料理でバランスを取る考え方です。
野菜料理は「追加できれば追加する」
外食では野菜が少なくなりやすい食事もあります。
サラダ、野菜の小鉢、具だくさんの汁物などを追加できるなら、一つ加えるだけでも食事の構成が変わります。
ただし、毎回大きなサラダを注文しなければならないわけではありません。付け合わせの野菜を食べる、野菜の入った料理を選ぶなど、小さな工夫でも構いません。
丼・麺・カレーでも調整はできる
丼もの、ラーメン、パスタ、カレーなどを「ダイエット中は禁止」とすると、外食の選択肢がかなり狭くなります。
こうした一皿料理を食べる場合は、料理自体を禁止するより、量と追加料理を考えます。
たとえば丼なら普通盛りにする、麺料理なら野菜や卵などが入ったものを選ぶ、カレーなら追加の揚げ物を毎回セットにしない、といった方法があります。
反対に、野菜やたんぱく質を補おうとして小鉢を何品も追加し、結果的に食べる量が大幅に増えることもあります。「健康的に見えるものなら追加してよい」と考えず、全体量を見ることも必要です。
セットメニューは「全部食べる前提」にしなくてよい
外食では、単品よりセットのほうがお得に見えることがあります。ドリンク、デザート、ポテト、追加のご飯などがまとめられている場合もあります。
金額としてお得でも、自分が食べたい量を超えているなら、必ずしも自分にとって得とは限りません。
単品で十分なら単品を選ぶ。セットを頼んでも、満腹なら残す。ご飯のおかわりが無料でも、必要なければおかわりしない。
こうした判断も体重管理の一部です。
「お金を払ったから全部食べなければならない」と考えると、空腹ではなく提供された量によって食事量が決まりやすくなります。可能なら、自分の満腹感も判断材料にしてみましょう。
食べたい料理がある日は、無理に別の料理へ変えない
外食で意外に難しいのが、「本当は食べたい料理があるのに、ダイエットのために別の料理を選ぶ」場合です。
それで十分満足できるなら問題ありません。しかし、食べたかったものを我慢したことで物足りなさが残り、食後に別のものを食べ続けてしまうこともあります。
たとえばハンバーグが食べたいならハンバーグを選び、ご飯の量やサイドメニューを調整する方法があります。デザートを楽しみたいなら、食事もデザートも必要以上に大きなサイズにしないという考え方もできます。
満足感は数値として測りにくいものですが、食事を長く管理していくうえでは無視しにくい要素です。
空腹が強すぎる状態で店に入らない工夫もある
予定が詰まっていて昼食が大幅に遅れた日などは、普段より強い空腹を感じることがあります。その状態では、いつもより多く注文したくなる人もいるでしょう。
毎回そうなるのであれば、外食の直前だけを工夫するより、食事の間隔を見直すほうが役立つ場合があります。
たとえば昼食が遅くなることが分かっている日は、午前中に適量の間食を取っておくという方法があります。
一方、外食の予定があるからと朝食や昼食を抜いて調整しようとすると、空腹が強くなりすぎ、かえって食べる量を調整しにくくなることがあります。
外食前に極端に減らして帳尻を合わせる必要はありません。
会食や付き合いでは「優先順位」を決める
友人との食事や飲み会では、自分だけでメニューを決められないこともあります。
そのような場面では、すべてを管理しようとすると疲れてしまいます。
たとえば、
「好きな料理は普通に食べるが、惰性で追加注文しない」
「料理を楽しみ、飲み物はいつもの量にする」
「デザートまで食べたいので、大盛りにはしない」
など、その日に一つだけ優先順位を決める方法があります。
一食を完璧にすることより、外食を含めた生活を続けられる形にするほうが現実的です。
外食後に体重が増えても、すぐ脂肪が増えたとは限らない
外食の翌日に体重が増えることがあります。
外食では普段より食事量が多くなったり、塩分や炭水化物の摂取量が変わったりするため、体内の水分量や消化管の内容物などの影響で短期的に体重が変動することがあります。
そのため、一度の体重測定だけを見て「昨日の外食で太った」と断定することはできません。
そこで極端に食事を減らしたり、長時間の運動で取り戻そうとしたりする必要はありません。次の食事から、普段食べている量や生活リズムに戻していきます。
体重を見る場合も、一日だけの増減より、ある程度長い期間の傾向として考えるほうが落ち着いて判断しやすくなります。
うまく選べなかった日も、その場で終わりにする
予定外に食べすぎる日は誰にでも起こり得ます。
大切なのは、「もう今日は失敗だから」と、その後の食事まで崩してしまわないことです。
食べすぎたと感じても、次の日から断食する必要はありません。次の食事で空腹を確認しながら、いつもの食事へ戻せば十分です。
外食のたびに反省するのではなく、「量が多かった」「セットにすると食べすぎやすかった」「昼食を抜いて行ったため空腹が強かった」など、次に一つ変えられそうな点だけを確認する方法もあります。
続けやすい「自分なりの基準」を作る
外食の種類は多いため、すべての料理について正解を覚える必要はありません。
たとえば、
- 大盛りを習慣にしない
- 主菜を決めてから追加料理を考える
- 野菜が少なければ一品追加する
- 本当に食べたい料理は無理に禁止しない
- 満腹になったら食べ切ることにこだわらない
といった自分なりの基準を数個持っておくだけでも、店が変わったときに応用しやすくなります。
最初から全部実践する必要もありません。まずは「外食では大盛りにしない」など、一つだけ決めて続けてみてもよいでしょう。
体重管理は、一回の外食で決まるものではありません。外食を楽しみながら、その前後に無理なく普段の食生活へ戻れることも、長く続けるための大切な技術です。
妊娠中、持病がある場合、服薬中の場合、医療者から食事について具体的な指示を受けている場合は、一般的なダイエット方法よりその指示を優先してください。また、食事量や体重への強い不安、過度な制限、過食などが続いている場合は、自己判断で制限を強めず、必要に応じて医療機関など専門家への相談を検討してください。